40代ハイスペック男性7
食事開始40分くらいで、だんだんこの男、怪しいと思い始めた私。
でも、以前、スイカの券売機で助けてもらった恩もあるし…無下にできない。
でもどうやってこの場を離れようか…
と考えていた。
…私、実はバツイチなんですよ。
2年前に離婚してて…
だから恋愛とかはちょっと…臆病というか…
なんの脈絡もなく、ボソボソと話し始めた私。
驚く様子の彼。
そうなんだ、でも色々あるよね、その年だと。
…
(しばらく沈黙)
まぁ、俺は結婚したことないからわかんないけど、一度失敗すると次が怖くなるよね。
…はい。
だから…
その、今回は気があってお食事というより前回のお礼がしたくて。
(ゴニョゴニョ…すごい言いにくい言葉。)
あ、ごめんね、逆に気を使わせちゃって。
俺はちょっと運命感じててさ。
なかなかこんな出会いないよね。
…(心の声)
私も最初はそう思ったけど、
あんたがあまりにも変な男だから落胆してンだけど…
もう出ましょうか。
今日はこちら私にご馳走させてください。
前回のお礼ですし。
あ、いやいや、ここは俺が出すよ。
誘ったの俺だし。
変に気を使わせてごめんね。
いえいえ…
と言いながら席を立とうとしたら
ガッ
と腕を掴まれ
でもさ、これも何がの縁だし、まじめに考えてみない?俺とのこと。
顔はニコニコ笑ってるけど、目が笑ってない。
マジでやばい奴だ、こいつ。
あ、そーーーーー…ですね。
ちょっと腕放してもらっていいですか。
まだ20:00だし、もう少し話そうよ。
は、はーい。。。
また席に座る私。
このまま強制的にこの会を終了したらなんかヤバイ気がして、なんとか穏便に終われるようにそのまま彼の話を聞き続けた。
彼曰く、北千住のタワーマンションに一人暮らしで、夏は隅田川の花火大会が部屋から見えるらしい。その花火を、彼が作った訳の分からんイタリアンとワインと共に、一緒に観よう…
などという話を長々としていた。
私はどんどん吐き気を催していた。