40代ハイスペック男性9
誰かと食事をしていてバックれようとした事は、多分人生で初めて。
面と向かって嘘をつくのが苦手な私にとって、この男と同じ空気を吸うこと自体、もう無理になっていた。
女子トイレに隠れた後、人混みを駆け抜けてエレベーターに向かうと
置いてきたはずの彼がそこに立っていた。
あれ?気分悪いんじゃないの?
…え、あの。(絶句)
帰ろうとしてたでしょ?
えーーー…と。
どうしたの?具合悪い?
駅まで送ってくよ
そう言って私の手を引いた。
なんか、この瞬間
頭プッツンきた。
すみません、あなたともう一緒にいられなくて。先に帰ります。
だから、送っていくよ
…だからあなたのせいで気持ち悪いんです。
これ以上つきまとうと通報しますよ?
あなたの立場が一気に悪くなりますよ!
そういうと男性は私の手を離した。
そのあとすぐにエレベーターが来て、ゾロゾロと多くの人たちと一緒に乗った。
彼は乗っては来なかった。
これにて、この彼とは終了です。
帰りの電車でラインをブロックしてTHE END
少しの間でもときめいてしまった自分が情けない。すぐに見抜けなかった自分に。
この後すぐ、私は婚活中であったのにも関わらず、男性と2人きりでご飯を食べに行くことがあまりできなくなってしまった。
なんというか、男性が気持ち悪い…みたいに思うようになり婚活も少し停滞気味になってしまった。
積極的にいろんな男性と会っていかないとなかなか運命の人には出会えないと思っていたが、闇雲に動いてもいい結果は得られないな…と反省した体験でした。